あったかい人

 今日訪ねた多恵子さんは、料理が好きで、山ごぼうのおまんじゅうや、つけもの、そば、うどん、みそ、梅干などたくさんの食べ物をつくっています。なかでも一押しは、こしょうみそと煎ったにんにく、ちりめん、けずりぶし、とうがらしを入れたものです。多恵子さんのお家でごちそうになりました。ほどよい辛さと味噌の味がマッチしてとてもおいしかったです。みそは、姑さんの代から伝わっている味だそうです。
 このお母さんはしっかりした人で、玄関まで出てだんなさんを毎日見送ったそうです。神棚と大黒様にもお米をお供えしていました。
 多恵子さんが作る料理は、ほとんどが畑でとれたものです。野菜、くり、赤もろこし、大豆、そばなどを育てているそうです。
 昔は、あわ、そば、あずき、さつまいも、むぎなども焼畑で育てていました。当時、とれたそばは、お祝い事などの時、そばだんごにしてだしたそうです。みそをつけて食べたそうですが、その味は甘くおいしかったそうです。今は、買ってきたそば粉でつくるそうですが昔と同じ味にはなかなかならないそうです。
 昔は、しょいこ、まるめんぱ(弁当箱)、とうが(そばや麦をうつもの)を持って山に入ったそうです。当時はたいへんな作業でした。しかし山を登ることはなれたことだったとおっしゃっていました。そんな多恵子さんの息子さんは、山登りが好きで山登りの道具一式を買ってくれたそうです。多恵子さんも一緒に山に登ったりしています。現在は、岐阜の方に山菜取りに行ったりしているそうです。ほんとうに元気ですね。
 今、困っていることは、猪や鹿、猿が人里に下りてくることだそうです。昨年は、みそをつくるための大豆を食べられてしまいました。こういった動物が人里に出てくるのは、人間の生活の影響かもしれません。多恵子さんは動物が人間のせいで山では住みにくくなってしまって人里におりてきているのではないかと心配していました。
 このような多恵子さんですが、今がんばっていることはウォーキングです。下湯島の人たち何人かで午後四時から、歩いているようです。これが多恵子さんが山登りしたり、畑仕事したりするときの力のもとなのかもしれません。本当に元気でパワフルな多恵子さんは、だれもが想像するお母さんみたいな存在です。取材をした僕達をたくさんの食べ物と心温まる話で包んでくれました。

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多恵子さん

居住地 西山地区 下湯島
取材日 2002/08/27
取材者名 榎本 創