山田屋のおかあさん

 みどりさんは今年で78歳。身延生まれで昭和26年に身延からここ山田屋へ嫁いできた。身延山の奥の院、追分、赤沢を経て羽衣まで3.5里もある距離を歩いて来たそうだ。ここのお店は昭和3年に開業したが、当時は春木川の反対側で、赤沢と羽衣の間にあったそうだ。伊勢湾台風で被害を受けたのを機に今の場所に移ってきたという。「ここは冬は寒いけど、夏は涼しいよ。窓を開けておけば川風が入るしね。しかし、昔は春木川にかかる橋が丸太を並べただけだったので、台風のときはいつも流されて大変だったのよ。」今は月2回、草塩の長寿苑へ行くことが楽しみだという。自分のペースで行けるのがいいそうだ。お茶を飲んだり、歌を歌ったり、ちょっとしたものを作ったりと。「同じ世代の人とお話も出来るしね。」40年ほど前に他界した旦那さんのことも話してくれた。釣りや猟が得意で、ウサギ、鹿、熊などを捕っていたという。一緒に山菜を取りにも行ったそうだ。フキやワラビがいっぱい採れたという。
 ここ山田屋は七面山へお参りに来る人々がお茶を飲んで休む場所である。飲食料の販売もしている。冬は参拝シーズンではないので、訪れるお客さんもまばらだが、それでも正月三が日はお客さんが来るという。現在は息子さんの嫁である浩美さんと一緒にお店をやってる。その浩美さんにもお話を伺った。二人のお子さんは町外で働いている。今度はいつ帰ってくるのかねぇ。仕事が忙しい上に、休みになれば休みになるで遊びに行っちゃうみたいだし。たまには帰ってきて欲しいけど。
 浩美さんは、現在町内のインターネット同好会に入っていてる。いろいろやってみたいんだけど、他にやることがあって忙しいからね。年賀状とかもパソコンでやりたいけどまだやっていないの。
 このホームページもお母さんと一緒にいつか見ていただけると幸いです。

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みどりさん

居住地 本建地区 新道
取材日 2002/12/13
取材者名 遊佐 敏彦