東京と早川行ったり来たり

 徳明さんは、七面山2丁目にある神力坊のお坊さん。霊験あらたかな七面山には、今も多くの信仰に篤い人々が登っています。その入口の一つとも言うべきここ神力坊を、年間5万人もの登山者が通っているそうです。そのため、祈祷など普通のお寺さんで行う仕事の他に、登山者にお茶を振る舞うなどの仕事も大変。多い時は800人ほどの団体さんの相手をすることもあるとか。
 そんな徳明さんも、ずっと早川にいたわけではありません。東京で生まれ、戦時中に薬袋に疎開。小学校5年から再び東京に戻り、高校は身延山高校。そしてまた東京に戻って、昭和39年から羽衣に住むようになったそうです。東京と早川での遊びの違いについて尋ねると、「東京は小遣いがあればいいけど、自分で遊び道具作るにも材料がない。でも、早川なら小遣いがなくても全部自分で作ることができる。」とのこと。実際東京では、べ-ゴマやめんこ、ビー玉で遊んでいたそうですが、早川では、竹を編んで作ったたがを回して競争する「たがころがし」や竹スキー、家や現場にある釘を使った陣取りゲーム、丸太を切ってタイヤにした「ゴロ」に乗って遊んだりと、身近にあるものを存分に使って遊んでいたそうです。僕もこの「ゴロ」というものにこの夏乗ってみたのですが、なかなか楽しかったです。坂道などで乗ったらスリルがあったでしょうね!

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徳明さん

居住地 本建地区 新道
取材日 2002/12/13
取材者名 本田 智比古