因果応報　みんなまじめにね

　茂子さんは大原野で生まれ、白石にお嫁に来ました。そして、桶屋をしていた旦那さんと３男２女をもうけました。そんな茂子さんは僕らに「人間まじめに生きるのが一番だ」と、何度も言い聞かせます。そう思うようになったエピソードの一つとして、こんなお話を聞かせてくれました。
　次女のともえさんが小学校４年生の頃、おばあさんの体調が悪くなったそうです。そのときともえさんは、他の子の世話や畑仕事などで忙しい茂子さんの代わりに、おばあさんの面倒を見てあげたといいます。小さい子供が、おばあさんをお風呂に入れたり、お便所に連れて行ったりしてくれたんだと涙を浮かべながら話してくださいました。そんな優しいともえさんは、現在、馬術が趣味で知り合った方とご結婚されて、幸せな家庭を築かれているとか。今、幸せでいられるのも、そんなことがあったからだとおっしゃっていました。
　「人を助けてあげれば、人に助けられる」。こんな気持ちで生きてきた茂子さん。今は子どもたちや周りの人たちに助けられながら暮らしています。