外から見た白石

 ツルコさんの実家は中富町曙です。そこでは養蚕を主にしていたそうで、桑を採りに畑に行ったのがすごく思い出に残っているとのこと。また自分の家でとれた繭から反物も作っていたそうです。反物は売り物ではなく、自分たちのためにとのこと。戦後は物資が乏しく、反物が市場になかったので、自分たちで作るしかなかったとおっしゃっていましたが、今考えればすごく贅沢ですよね。ちょっと驚きました。
 結婚で白石に移ってきてからは、畑仕事に明け暮れました。麦や大豆を植えたり、田んぼもやっていました。豚を飼ったこともあるそうです。しかし白石は畑が傾斜地にあり、作業するのが大変だとのこと。だから雨の日は休めるので少し嬉しかったよと笑いながら話してくれました。また、若い頃飯富の洋裁学校で習った腕を生かし、布団や着物を裁っては子どもに着せていたほどの腕前です。
 旦那さんは東京電力で働いており、単身赴任で家にいないときも多かったとか。退職後帰ってきて、現在は自分の山に植えた木の手入れをしています。どうにかして、後世の為にも役立てたいとのことでした。
 現在とても困っていることは家の裏にしいたけを作っているのですが、それを猿にもって行かれてしまうことです。「私たちは猿の残り物を食べているだけだよ、これでは。時々20匹ぐらいの集団で食べに来るんだから大変だよ。そういう時はお父さん(旦那さん)に頼んで花火で猿を追い払うんだから。」
 逆によかったことは交通の便が曙より良く、近くにバス停があることだそうです。「住めば都、ここにいればここの良さが分かる。田舎は田舎のよさがあるよ」と話してくれました。これからも白石を守ってがんばって下さい!!

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ツルコさん

居住地 都川地区 白石
取材日 2002/02/24
取材者名 板野 新世