思い出創作人
ドアを開けると、カウンターにある大きなヤマメの標本が目に入る。ここは、白石にある町営の養魚場「やまめピア」。ここで開業当初から20年以上ずっと働いているのが、根本さんである。
ここで取扱っているのはヤマメとマス。この2種類を早川町の北から南まで、いろいろなところで放流している。給食センターや民宿にも卸すこともある。また、ここでは渓流と釣り堀での釣りが楽しめる。伺ったのが2月だったので、お客さんは少な目。根元さん曰く、冬は開店休業状態。でも、いつお客さんが来るか分からないので、閉めておくわけにはいかない。それは、年中渓流釣りが可能なので、禁漁期間にどうしても川釣りをしたい人がやって来るから。これ目当てに東京・沼津など、はるばる遠方からやって来るお客さんもいる。もちろん夏になれば、家族連れなど多くの客で賑わう。
セールスポイントは、安さとサービス。ほかの釣り堀よりもおよそ半額の値段。そして、臨機応変に各種のサービスを行う。さらに、バーベキューができる施設もあるので、釣った魚をその場で食べることも可能。このあたり、ふつうの養魚場ではない。
この仕事に就いた理由を伺ったところ、『人生たまたまですよ』とのお答え。また、毎日釣りをしているのを見ているから、釣りはやらないとのこと。でも、川魚の食べ方で話が盛り上がるなど、このお仕事への愛着を感じる。
今後の目標は、釣り客のリピーター確保。そのために、お客さんへのサービスを重視している。気軽にちょっと立ち寄ることができ、子供でも魚を釣ることのできる、家族で来られる、みんながそれぞれ良い思い出を作って帰ることができる、そんな釣り堀にしたいと考えている。
作って以来ほとんど手を加えていないという施設は、養魚場というよりは釣り堀といった雰囲気がとても似合う場所である。
根本さん
居住地 | 都川地区 白石 |
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取材日 | 2002/02/24 |
取材者名 | 伊藤 栄介 |