農作物の行方

 手ぶら同然で行ったはずなのに、帰りは両手はふさがっていました。キャベツ6つ、ブロッコリー袋1杯、ふきのとうも袋1杯。「いいんですか!そんなに!」僕たちはたくさんこの言葉を言いました。小さい包丁片手に、畑に入ったさか枝さんは、さっさっとなれた手つきで野菜をもぎ取ってくれました。そんなに大きな畑でもないのに、こんなに取っていいのだろうかと少し気になります。すると、さか枝さんは昔から出荷はせずに、人にあげてばかりといいます。虫取りも農薬を使わず、手でやっているそうです。さか枝さんは「誰かにあげたいと思ってやっている。だから畑仕事は全然苦にならない」と言います。

 農薬も使わず、山に囲まれた畑で育ったブロッコリーを、早速夜にいただきました。とてもおいしかったです。さか枝さんは、別れ際に「たばこは良くないよ!」と体のことを気遣ってくれもしました。
 最近サルが家の中まで入ってきて、食べ物をあさりにくるようです。先日も畑仕事中にサルがやってきて、驚いたさか枝さんは畑脇の崖から大急ぎで飛び降りて、足を捻挫してしまいました。早く治してくださいね。

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さか枝さん

居住地 都川地区 白石
取材日 2002/02/25
取材者名 小島 摂